アスタキサンチンAstaxanthine

成分の解説

基本情報

アスタキサンチンは赤色の色素で、人間の体内では合成できない成分です。アスタキサンチンはカロテノイド色素の一種であり、600種以上あるカロテノイド色素の中でも抗酸化力(活性酸素除去力)が非常に強く、ビタミンEの約千倍の抗酸化力を持っています。アスタキサンチンはサケやイクラ、カニ、エビなどに多く含まれていますが、それらの動物はアスタキサンチンを体内合成することはできません。単細胞の植物プランクトンであるヘマトコッカス藻は自らアスタキサンチンを合成することができますが、それを動物プランクトンが食べ、更にサケやエビ、カニというように食物連鎖によって様々な生物の体に取り込まれていきます。

その他特記事項

アスタキサンチンは、重要な臓器である脳と目の中でも働くことができる数少ない抗酸化物質です。脳と目の入口にはそれぞれ「血液脳関門」、「血液網膜関門」という関所のような器官があり、不要な物質は全てはじかれ、限定された必要な成分のみが通ることができます。ビタミンCやE、β-カロテンなどの抗酸化物質はその関所を通ることができません。

期待される効果

眼精疲労の改善効果

目でものを見るときには、眼球の回りの毛様体筋という筋肉によって水晶体の厚みを変えてピントを調節していますが、目を酷使すると毛様体筋が疲労して調節機能が上手く働かなくなって眼精疲労となり、目のかすみや痛み、酷い場合には肩こりや頭痛が起きたりします。アスタキサンチンは目の奥の細部にまで行き届いて抗酸化作用をダイレクトに発揮するので、眼精疲労を緩和する効果があります。

眼疾患(黄斑変性症、ぶどう膜炎、白内障、等)の予防効果

目は皮膚同様に紫外線を直接浴びるので活性酸素が多く発生していると考えられ、アスタキサンチンが活性酸素の消去に働くことが分かっているので、紫外線が原因と考えられる眼疾患(黄斑変性症、ぶどう膜炎、白内障、等)にも有効であると考えられています。

動脈硬化の予防効果

動脈硬化は、活性酸素により酸化した悪玉(LDL)コレステロールが血管壁に沈着して血管を固くしてしまうことをいいます。アスタキサンチンは活性酸素の発生を抑制・除去するので、動脈硬化の予防効果があります。

筋肉疲労の軽減効果

肉体的な疲労は、エネルギー不足と疲労物質の蓄積によって起こります。筋肉を動かすエネルギー源は糖質と脂質で、通常はこの二つを均等な割合で利用されます。しかし、激しい運動をすると糖質(グリコーゲン)の利用割合が多くなり、長時間に及んでくるとグリコーゲンの貯蔵量が減少し、筋肉収縮のためのエネルギーを生み出せなくなります。アスタキサンチンを摂取していると脂肪が優先的に使用され、グリコーゲンの使用量が抑えられることから、筋肉疲労を予防すると共に、疲労物質である乳酸の生成を抑制すると考えられています。

皮膚の老化防止効果

皮膚は紫外線を浴びることによって大量の活性酸素が発生し、顔にしわやしみができるなどの老化現象が起こります。アスタキサンチンは活性酸素を除去する力が強いので、紫外線による老化を防ぐ効果があると考えられています。