ビルベリーBilberry

成分の解説

基本情報

ビルベリーはブルーベリーの一種で、ツツジ科に属している落葉低木果樹で、北ヨーロッパから北欧スカンジナビア半島に広く分布しており、栽培が難しいため野生のものを採取しています。果実はブルーベリーよりも小さく、黒に近い紫色をしています。果肉はブルーベリーの薄い緑色に対し、ビルベリーは濃い赤色又は紫色をしています。ブルーベリーよりも強い酸味があり、味も濃厚です。強い酸味のため、生食には余り適さず、ジャムやドライフルーツ、ジュース等の加工食品に利用されます。

特徴

ビルベリーは、ブルーベリーの中でも青紫色の色素であるアントシアニンが最も多く含まれており、一般的な栽培種であるハイブッシュブルーベリーの約5倍の量を含有し、含まれているアントシアニンの種類は15種類にも上ります。ビルベリーにアントシアニンが多く含まれる理由は、北欧など緯度の高い場所において、夏季に起こる白夜という太陽が一日中沈まない現象が関係しており、太陽の紫外線の長時間曝露による酸化から身を守る必要があるため、抗酸化物質であるアントシアニンを大量に生成する必要があるからです。そのため果皮だけではなく果肉にもぎっしりとアントシアニンが蓄えられるため、果肉も濃い色をしています。他にもビタミン類やミネラル類、食物繊維が豊富で、特にミネラル分の亜鉛とマンガンの含有量が多いです。

期待される効果

視覚機能改善効果

眼の視覚とは、対象物を光の情報として捉えて信号化し、その信号を脳に伝達し、脳が信号を一瞬にして像として判断・認識することで、「ものが見える」という感覚が得られます。光の情報を信号化するのが、網膜中に存在するロドプシンという物質で、ロドプシンが分解と再合成を繰り返すことによって行われます。目を酷使するとロドプシンの再合成が遅れる場合があり、目がショボショボする、ぼやけるなどの疲れ目の症状に繋がります。アントシアニンはロドプシンの再合成を促進する働きがあるので、視覚機能を改善する効果が期待されます。

活性酸素除去効果

体内で作られた活性酸素を除去する働きは、抗酸化作用と呼ばれます。
活性酸素は、紫外線、喫煙、ストレスなどで発生し、細胞や血管など人体のいたる所にダメージを与え、生活習慣病や様々な病気、老化の原因になると言われています。ビルベリーに含まれるアントシアニンは、抗酸化力が強いデルフィニジンやシアニジンが多く含まれているので、高い抗酸化作用が期待されます。

白内障予防効果

白内障は、目の水晶体が紫外線によって酸化することによって濁ることが要因の一つであると言われています。アントシアニンの抗酸化力が水晶体を紫外線のダメージから守ることにより、白内障の予防に繋がると期待されます。

緑内障予防効果

緑内障は、様々な要因によって眼圧が上昇し、視神経を圧迫してその働きを衰えさせる病気で、進行すると視野欠損や視力低下が起こり、失明に至る場合もあります。眼圧が正常であっても緑内障を発症する場合もあり、これは視神経が酸化によって傷つき、弱ってしまうためです。酸化の要因としては、喫煙や栄養不足などによる生活習慣の乱れや、紫外線によるものが原因となります。アントシアニンの持つ抗酸化力によって酸化を抑制することにより、緑内障を予防する効果が期待されます。

夜間の視覚機能・暗順応機能改善効果

ビルベリー由来のアントシアニンについては、1960年代以降、多くの試験・研究が行われており、夜間における視覚機能の向上や暗順応(明るい場所から暗い場所に入ったときに、時間が経過するとともに目が慣れて見えてくること)機能向上に効果がある研究結果が出ています。