ツバキ油(純椿油)Camellia oil

ヤブツバキ
ヤブツバキ種子

成分の解説

基本情報

ツバキ油(純椿油)は、ツバキ科ツバキ属のヤブツバキ(藪椿)の種子から採取される植物油脂です。
ヤブツバキは、北海道を除いた日本全土に分布しています。有名な産地としては、長崎県の五島列島、東京都の伊豆大島、新潟県の佐渡島が挙げられます。
ツバキ油は平安時代初期から、食用や薬用、髪や肌のお手入れ、灯りの燃料、鉄製品のさび止め、木製品のひび割れ止めなどに利用されてきました。
ヤブツバキ種子100%の油は、「ツバキ油」、「純ツバキ油(純椿油)」と表記され、混ぜ物やさざんか等の他のツバキ属の種子のものは、「椿油」や「つばき油」と表記されます。

特徴

ヤブツバキの種子から得られるツバキ油(純椿油)は、植物油脂の中で最もオレイン酸を多く含んでおり、その含有量は85%以上で、オリーブ油(75%前後)を上回ります。オレイン酸は不乾性油であるため、酸化されにくく、固まりにくい性質を持っています。
ヒトの皮脂はオレイン酸が40%を占めており、オレイン酸を豊富に含む椿油は肌や髪になじみやすく、保湿性を持続し、乾燥を防ぐ効果があります。
ツバキ油は火傷や切り傷に有効で、患部に塗ることによって治癒を早める効果があります。また、肌荒れにも効果的です。
ツバキ油は紫外線のUV-Bを100%カットします。UV-Bは、太陽から地上に注ぐ紫外線の1割弱を占めるもので、表皮細胞の細胞膜やDNAを傷つけたり、肌が赤く炎症してヒリヒリ痛むサンバーンが起きたりします。UV-Bを浴びると防衛反応のためにメラニン色素が生成され、紫外線を吸収して肌を守ります。ちなみに生成したメラニン色素がUV-A(紫外線の9割を占める)を浴びると酸化して褐色化し、いわゆる日焼けで肌が茶色くなる状態になります)。

期待される効果

火傷や切り傷の治癒効果、肌荒れの改善効果

ツバキ油は、火傷や切り傷の患部に塗ることで、治癒を早める効果があります。肌荒れの箇所に塗ることにより、症状を改善する効果があります。

髪の健康維持効果

ツバキ油を髪に付けることにより、ドライヤーの熱や紫外線などから髪を守ります。また、必要な水分を保持し、髪のキューティクルを整えることで、髪に潤いとハリを与える効果があります。
ツバキ油を頭皮に使用することにより、毛穴に詰まった汚れを取り除き、毛母細胞を活性化させることによって、抜け毛や白髪を防ぐ働きや、フケやかゆみを防ぐ働きが期待されます。

美肌効果

ツバキ油は、肌に潤いを与え、皮膚の乾燥を防ぐ効果があります。また、紫外線のUV-Bを100%カットするので、表皮細胞のダメージを防いだり、シミやそばかすを防ぐ効果があります。

花粉症の症状を和らげる効果

ツバキ油1~2滴を顔に薄く伸ばして塗ると、花粉症の症状を和らげる効果があります。

のどの炎症を和らげる効果(服用の場合)

ツバキ油を数滴服用することにより、のどの炎症を和らげる効果があります。

コレステロール低下作用(食用摂取の場合)

ツバキ油に含まれるオレイン酸は、血中の善玉(HDL)コレステロールの量は減らさずに、悪玉(LDL)コレステロールのみを低下させる作用があります。

<参考記事>