カシスCassis, Blackcurrunt
成分の解説
基本情報
カシスはスグリ科に属している落葉低木果樹で、直径1cm程の赤黒い果実を実らせます。カシスはフランス語の名称で、日本語ではクロスグリ(クロフサスグリ)、英語ではブラックカラントと呼ばれます。主に北欧や北ヨーロッパ、カナダなどの冷涼な地域で栽培されています。生食用途の他、ジャムやジュース、ゼリー、リキュール等に利用されます。
特徴
カシスには青紫色の色素であるアントシアニンが豊富に含まれています。カシスには抗酸化力に優れる4種類のアントシアニンが含まれ、その内、「D3R(デルフィニジン-3-ルチノシド)」と「C3R(シアニジン-3-ルチノシド)」の2種類はカシス特有の成分で、ブルーベリーやビルベリーには含有しておりません。カシス由来のアントシアニンは、末梢血管の血流を改善する働きがあり、特徴としては、摂取してから体内に吸収され、体に作用するまでにかかる時間が非常に短く、即効性があることです。
期待される効果
目のピントフリーズ及び眼精疲労の改善効果
パソコンやスマホの操作、読書などを行っていて、ふと遠くを見た時にピントが合わずに視界がかすんだりする現象を、ピントフリーズ現象と呼びます。目のピント調整は、水晶体と呼ばれるレンズの役割をしている部位を、毛様体筋と呼ばれる筋肉が弛緩したり緊張したりすることによって厚みを変えることにより、行っています。近くのものを見るときは水晶体を厚くするために、毛様体筋が緊張状態となります。そのため、パソコン等で近くのものを見続けると、毛様体筋は緊張状態が続くため、肩こりのようにこり固まってしまうために目の焦点が効かなくなり、一時的な近視状態となってしまいます。通常は、遠くを見たり凝視を解くことによってピントフリーズ状態は解消されますが、長時間連続的に近点作業を行うことによってピントフリーズ状態が解消されない状態が続いてしまうと眼精疲労となり、ピント調節が遅れるなどの悪影響を及ぼす可能性があります。 カシス由来のアントシアニンは、こり固まった毛様体筋の血流を良くし、こりをほぐす働きがあるので、ピントフリーズ及び眼精疲労の改善に効果が期待されます。
緑内障の進行抑制効果
緑内障は、様々な要因によって眼圧が上昇し、視神経を圧迫してその働きを衰えさせる病気で、進行すると視野欠損や視力低下が起こり、失明に至る場合もあります。カシス由来のアントシアニンは、視神経の血流を増加させることによって、眼圧を低下させる効果があるので、緑内障の進行抑制に効果が期待されます。
視覚機能改善効果
眼の視覚とは、対象物を光の情報として捉えて信号化し、その信号を脳に伝達し、脳が信号を一瞬にして像として判断・認識することで、「ものが見える」という感覚が得られます。光の情報を信号化するのが、網膜中に存在するロドプシンという物質で、ロドプシンが分解と再合成を繰り返すことによって行われます。目を酷使するとロドプシンの再合成が遅れる場合があり、目がショボショボする、ぼやけるなどの疲れ目の症状に繋がります。アントシアニンはロドプシンの再合成を促進する働きがあるので、視覚機能を改善する効果が期待されます。
活性酸素除去効果
体内で作られた活性酸素を除去する働きは、抗酸化作用と呼ばれます。
活性酸素は、紫外線、喫煙、ストレスなどで発生し、細胞や血管など人体のいたる所にダメージを与え、生活習慣病や様々な病気、老化の原因になると言われています。ブルーベリーやビルベリーに含まれるアントシアニンは、抗酸化力が強いデルフィニジンやシアニジンが多く含まれているので、高い抗酸化作用が期待されます。
白内障予防効果
白内障は、目の水晶体が紫外線によって酸化することによって濁ることが要因の一つであると言われています。アントシアニンの抗酸化力が水晶体を紫外線のダメージから守ることにより、白内障の予防に繋がると期待されます。
緑内障予防効果
緑内障は、様々な要因によって眼圧が上昇し、視神経を圧迫してその働きを衰えさせる病気で、進行すると視野欠損や視力低下が起こり、失明に至る場合もあります。眼圧が正常であっても緑内障を発症する場合もあり、これは視神経が酸化によって傷つき、弱ってしまうためです。酸化の要因としては、喫煙や栄養不足などによる生活習慣の乱れや、紫外線によるものが原因となります。アントシアニンの持つ抗酸化力によって酸化を抑制することにより、緑内障を予防する効果が期待されます。
目の下のクマの解消効果
目の下のクマは、疲労やストレス、睡眠不足などによって、目の周りの血流が悪くなって酸素不足になることにより、血液が赤色から暗赤色になることによって起こります。カシス由来のアントシアニンは、摂取後15分程度で血液中に現れて血流が改善されますので、クマの解消に即効性が期待されます。
インフルエンザ予防効果
カシスの果実に含まれるビタミンAやビタミンB2などは、のどや鼻の粘膜の働きを高め、ウィルスの侵入に対抗します。ビタミンCやビタミンB6、亜鉛などは免疫機能を増強し、上皮や粘膜を構成するコラーゲンの生合成に働きかけます。アントシアニンやビタミンC、ビタミンEは活性酸素を除去する効果があります。また、カシスに含まれる成分にインフルエンザウィルスが体内の細胞に吸着・侵入するのを防ぐ働きがあるので、インフルエンザに有効であるとされています。