成分の解説

基本情報

ニホンミツバチは日本在来種のミツバチで、北海道、沖縄を除く全地域に分布しています。ニホンミツバチはデリケートであり、波動の高い場所、いわゆるイヤシロチでしか巣を作りません。
現在、日本で行われている養蜂は、明治以降にヨーロッパから移入されたセイヨウミツバチによるものがほとんどであり、国内に流通している蜂蜜の内、99.9％以上はセイヨウミツバチのものになっています。
一方、ニホンミツバチによる養蜂場は数える程度しかなく、採蜜量もセイヨウミツバチと比較して１／５以下とも言われ、流通量は極めて少なく、高価なものになっています。

セイヨウミツバチとニホンミツバチの比較

1. 飼育について
   セイヨウミツバチは飼育が比較的容易で、余り場所を選ばす、都会のビルの屋上など、波動の低い場所でも飼育ができます。ちなみに野生化はしません。
   ニホンミツバチは飼育が難しく、自然が多く残った山間部など、波動が高く自然に近い状態でないと巣を作りません。
2. 蜜の採集について
   セイヨウミツバチは、数の少ない花よりも、人工的な花畑など一ヵ所に沢山花が咲いている場所から効率的に蜜を集める傾向があります。その性質を利用して、レンゲ、アカシアなど、単一の花からのみ採取した蜂蜜も多く販売されています。
   ニホンミツバチは、自然の草木のみから様々な花の蜜を集める傾向があります。
3. 蜂蜜の味について
   セイヨウミツバチの蜂蜜の味は、独特の嫌なえぐ味を感じることが多いですが、ニホンミツバチの蜂蜜の味は甘味やコクが強くて風味も格段に良く、えぐ味も全くありません。
4. プロポリスについて
   プロポリスは、ミツバチが木の芽や樹液、その他の植物源から集めた樹脂製混合物であり、抗菌作用があるため古代から利用され、古代ローマでは天然の抗生物質として用いられ、東ヨーロッパでも伝統的に薬用として用いられてきました。日本国内でも健康食品としてプロポリスの成分が入ったサプリメントが流通しています。
   このプロポリスですが、セイヨウミツバチは作りますが、ニホンミツバチは作らないのです。セイヨウミツバチがプロポリスを巣に作る理由は、巣に細菌が入り込み蔓延するのを防ぐためです。ニホンミツバチはプロポリスを作りませんが、体内に抗菌成分を持っていて、蜂蜜を作る際にその抗菌成分が混ざるため、巣にプロポリスを作らずとも巣に細菌を蔓延することを防ぐことができるのです。
5. 蜂の体質について
   セイヨウミツバチは体が弱く、病気やダニに弱いです。天敵であるスズメバチに襲われた場合は、すぐに死んでしまいます。
   ニホンミツバチは体が強く、病気やダニに強いです。天敵であるスズメバチに襲われた場合は、数百匹が一斉に群がって団子状の蜂球を作り、体温を高めて蜂球内を４５～４７℃の高温にし、スズメバチを熱死させます。

蜂蜜の保存方法

ニホンミツバチの蜂蜜は、１８℃以上になると発酵が進んで味が変わり、効果も薄れてくるので、冷蔵庫保管が望ましいです。

注意事項

蜂蜜は１歳未満の乳児には食べさせてはいけません。蜂蜜には、ごく稀にボツリヌス菌の芽胞が入っていることがあり、腸が未発達で腸内細菌の少ない1歳未満の乳児の場合、ボツリヌス菌が産生する毒素が原因で乳児ボツリヌス症（神経麻痺症状が起きる）を発症する恐れがあるためです。
ニホンミツバチの蜂蜜は通常、低温になると結晶化して固くなります。ニホンミツバチを謳って市販されているものの中には粗悪品も存在し、異性化液糖などの糖類を混ぜたものや加熱処理を行って酵素が失活してしまったものも存在します。そのようなものは低温でも固まらず、糖類を混ぜたものは色が薄くてさらさらしています。