メグスリノキNikko maple
成分の解説
基本情報
メグスリノキは、ムクロジ科カエデ属の落葉高木で、日本国内のみに自生しています。本州では宮城・山形県以南、四国、九州の標高700m付近に多く見られます。樹高は10mに達し、雌雄異株で、5~6月にかけて雌花、雄花共に淡黄色の花を咲かせ、秋になると紅葉します。戦国時代頃から、樹皮や皮を煎じた汁で目を洗うと眼病などに効果があるということから、メグスリノキと名付けられました。地域により、チョウジャノキ、センリガンノキ、ミツバナとも呼ばれています。
特徴
メグスリノキに含まれる有効成分は、樹皮や枝、葉で成分は異なりますが、タンニンの一種で肝機能を高める効果があるとされるロドデンドロール、炎症を抑制する働きがあるとされるエピ・ロードデンドリン、タンニンの一種で抗菌作用があるとされるゲラニイン、血圧・血糖値降下の働きがあるとされるα-アミリン、コレステロールの吸収を抑えるとされるβ-システロール、ポリフェノールの一種で抗酸化物質であるエラグ酸とケルセチン等です。
その他特記事項
司馬遼太郎著の「播磨灘物語」には、戦国時代の武将である黒田官兵衛の祖父・重隆が、メグスリノキを煎じた家伝の目薬で黒田家の財を築いたとされています。江戸時代までは目薬として利用されましたが、明治時代に入ると西洋医学が中心になるにつれ、忘れ去られる存在となっていきました。
期待される効果
老眼の症状の改善する効果
メグスリノキには、老眼によるかすみ目やピントの調整機能の低下、眼精疲労などの症状を改善する効果があると言われています。
眼病予防効果
メグスリノキは民間療法における洗眼薬として眼病に利用されてきましたが、メグスリノキに多く含まれるタンニンは、細菌の増殖を抑える抗菌作用や傷を修復させる収斂作用があるので、流行性角結膜炎やものもらい、アレルギー性結膜炎、目やに、かすみ目などに有効であると考えられています。
肝機能を高める効果
メグスリノキの樹皮に含まれるタンニンの一種であるロドデンドロールは、肝臓の解毒作用を活発にする働きがあると言われています。
動脈硬化予防効果
メグスリノキの葉に含まれるβ―アミリン、ケルセチンが、血管壁の硬化を防ぐ働きをし、動脈硬化を予防する効果があると言われています。