栄養素

3大栄養素として、「炭水化物(糖質)」「たんぱく質(アミノ酸)」「脂肪(脂質)」があり、カラダを動かすエネルギー源、カラダの構成要素として大切な栄養素です。そして、これらの働きを支え、カラダの機能を調整する役割のある「ビタミン」「ミネラル」を加えて、5大栄養素といいます。 さらに、これに、腸内環境を整える「食物繊維」と、活性酸素からカラダを守る「抗酸化物質(ファイトケミカル)」を加えて、7大栄養素とする考え方もあります。

摂取された栄養は、カラダの中に取り込まれながら分子レベルで分解、合成、再合成などを経て、カラダの中でそれぞれの役割を果たしています。その中で、カラダに必要な栄養素のうち、カラダの中で合成、再合成されないために、外から摂取しないといけない栄養素を「必須栄養素」といい、「必須アミノ酸」「必須脂肪酸」「必須ビタミン」「必須ミネラル」があります。 厚生労働省では、健康長寿社会をめざし、生活習慣病予防、高齢者のフレイル(虚弱)予防などの観点より、「日本人の食事摂取基準」として、3大栄養素や必須栄養素の摂取目安量、目標量などを男女別、年齢別、労作別などの基準を設けており、5年ごとに策定されています。  

3大栄養素の主な役割

炭水化物・・・・・・・エネルギー源になる
たんぱく質・・・・・・カラダの構成成分、機能成分になる
脂肪・・・・・・・・・エネルギー源、細胞膜の構成成分になる

食べ物がエネルギーになるしくみ

カラダを動かすには、エネルギーが必要ですが、3大栄養素のうち、炭水化物と脂肪が主なエネルギー源となります。
炭水化物は1g当たり4kcal、脂肪は1gあたり9kcalのエネルギーを産出するとされています。
エネルギー産生には、①解糖系→②クエン酸回路系(TCA回路)→③電子伝達系を経て、エネルギーとなるATP(アデノシン三リン酸)が産生され、カラダが動くしくみとなっています。このとき、炭水化物(糖質)は①解糖系からスタートしますが、脂肪(脂質)は、分解された脂肪酸のβ酸化を経て、②クエン酸回路からスタートします。また、たんぱく質は、通常はカラダの構成成分、機能成分になりますが、炭水化物が摂取されない場合に、糖新生として糖を作り出しエネルギーをつくります。

エネルギー産生のしくみ(簡易模式図)

エネルギー産生栄養素バランス

3大栄養素は、すべてのエネルギー産生をもたらすことより、「エネルギー産生栄養素」ともいいます。
この3つの栄養素の摂取バランスは、「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」により定められています。

たんぱく質15%(13~20%)

脂肪25%(20~30%)

炭水化物60%(50~65%)

 

<例>
一日に必要なエネルギー量 2000kcal(成人女性、普通労作時)の場合に、
摂取基準割合から算出すると 
1日あたり たんぱく質は75g、脂肪56g、炭水化物300gとなります。
※なお、たんぱく質はなかなか摂取しにくいことより摂取目標量は50g(成人女性)となっています。男性は65g。

 

◎たんぱく質

たんぱく質は筋肉や組織の元となる大切な栄養素です。不足すると、筋肉量が落ち、体力低下に陥ることもあります。また、過剰摂取は、腎機能の低下を引き起こし、さまざまな疾患につながることもあります。

◎炭水化物

炭水化物はエネルギーの元となる栄養素で、糖質(糖類)と食物繊維を含んでいます。ごはん物、パン類、麺類、菓子類など、多く摂りすぎる傾向があり、糖質過剰により摂取エネルギーが増え、消費できず肥満につながりやすい面があります。
なお、含まれる食物繊維は、腸内環境を整える作用があります。

◎脂肪(脂質)

エネルギー源であるとともに、細胞膜の成分にもなる大切な栄養素ですが、脂質の種類によって、血中コレステロールを増やすもの、減らすものなどあり、摂取する脂質の種類もバランスよくとる必要があります。

炭水化物・たんぱく質・脂質の3大栄養素から摂取するエネルギーのバランスが大切といえます。