ホスファチジルセリン

ホスファチジルセリン(「PS」ともよばれます)はリン脂質の一種で、人体を構成する60兆個といわれる細胞の細胞膜を形成しており、細胞内への栄養素の取り込み、老廃物の排出に関わっています。
特に脳や神経細胞に多く存在し、脳の栄養素と呼ばれる程、脳内での情報伝達や血流において重要な働きをしています。

ホスファチジルセリンの特徴

ホスファチジルセリンは、記憶力、判断力、学習力、集中力などの脳機能に関連していると言われています。ホスファチジルセリンは人体内でも一部生成されるものの加齢と共に減少し、脳機能が低下する大きな要因になると考えられていますが、食品から補うことが可能です。

ホスファチジルセリンの役割

<脳細胞の新陳代謝活性化>
細胞膜成分であるホスファチジルセリンは、減少すると血管壁や赤血球の細胞膜がかたくなります。ホスファチジルセリンをとることで、細胞膜は柔らかくなり、血流が整い、細胞に十分な栄養と酸素が行き渡り、老廃物の排出もスムーズになるなど、新陳代謝が促されます。また、ホスファチジルセリンは脂溶性と水溶性の両方の性質を持っているので、細胞の内外両方に作用することができるのも特徴です。

<神経伝達物質の伝達活性化>
脳細胞は神経伝達物質の発信・受信によってネットワークを形成していますが、発信部と受信部の接合部をシナプスといい、その周辺にホスファチジルセリンが十分に存在すると、脳細胞同士がより多くの情報をスムーズに伝達できるようになると考えられます。神経伝達物質には、アセチルコリンやドーパミン、セロトニンなどがありますが、それらの分泌が促進されるので、情報伝達機能が高まり、記憶力の保持、リラックス効果が期待できるといえます。

その他特記事項

ホスファチジルセリンは大豆、肉類などに含まれていますが、含有量が少ないため、日常の食事から十分量を摂取することが難しい成分です。
ホスファチジルセリンの1日当たりの摂取量は1日100mg程度が目安といわれますが、大豆では1日に千粒以上を食べなければならないので、必要量を摂取するにはサプリメントを利用するのが現実的といえます。