ギャバ

リラックス系アミノ酸といわれ注目されている「GABA」。正式には γ(ガンマ)-アミノ酪酸<Gamma Amino Butyric Acid>といいます。
ギャバは、植物、動物の生体内に広く分布する成分ですが、ナス、トマト、じゃがいも、温州みかん、ぶどうなどの野菜・果物や発酵食品に多く含まれています。また、白米、玄米と比較して発芽玄米には多く含まれます。
ヒトの体内では、脳や脊髄などに多く存在し、グルタミン酸から生成されます。
※グルタミン酸は、体内で生合成される非必須アミノ酸の一つです。たんぱく質を構成するアミノ酸であるとともに、興奮系の神経伝達物質でもあります。昆布、緑茶、チーズ、トマトなどに多く含まれ、旨味成分のひとつです。

ギャバの働き

ギャバは、神経伝達物質の一つで、抑制系の働きがあります。(下記「神経伝達物質」参照)

ギャバは、摂取により血圧低下やストレスを低減することが報告されています。血液中に取り込まれたギャバは、身体活動を高める交感神経に作用し、ノルアドレナリンの分泌を低下させます。交感神経の興奮を抑制→ストレス軽減、血圧低下につながるとされています。
ギャバは体内でつくりだされますが、それも加齢によって減少することに加えて、ストレスを多く抱える現代社会では、交感神経が過剰に働きやすく、その作用低減に働く体内のギャバが不足しやすいといわれます。緊張・ストレスが続くとき、眠りの不安があるときなど、ギャバを含む食品やサプリメントなどで補ってみましょう。

 

神経伝達物質(参考)

神経伝達物質とは、神経細胞ニューロン間の情報を伝達する化学物質で、その種類は50種類以上ともいわれています。

◎化学構造による分類

1.アミノ酸<グルタミン酸、GABA、アスパラギン酸、グリシンなど>
2.ペプチド類(アミノ酸が鎖状につながったもの)<ホルモンと共通するものが多い:副腎皮質ホルモン、オキシトシンなど>
3.モノアミン類(1つのアミノ基を有するもの)<ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、メラトニンなど>とアセチルコリン

◎精神に作用する働きによる分類

1.興奮系神経伝達物質<ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、グルタミン酸など>
興奮系神経伝達物質には、快楽・高揚をもたらす「ドーパミン」、集中・不安あるいは闘争・逃避をもたらす「ノルアドレナリン」、興奮・怒りをもたらす「アドレナリン」があります。また、グルタミン酸は脳内アミノ酸の中で一番多く存在し、記憶や学習に関与しています。

2.抑制系神経伝達物質<GABA・グリシンなど>
抑制系神経伝達物質には、落着き・緊張緩和をもたらす「GABA」があり、興奮系(アクセル)のブレーキ役といわれています。また、「グリシン」は、睡眠の質を高めるといわれています。

3.調整系神経伝達物質<セロトニンなど>
「セロトニン」は、ドーパミン、ノルアドレナリンの過剰放出を制御し、不安をなくし精神を安定させるとともに、生体リズム、睡眠・体温調節などに関与するとされています。GABAと同様、抑制系の働きとともに、交感神経と副交感神経のバランスをとるなど調整役でもあります。

3つのバランスがとれた状態が平常心といわれます。
これらが適度に分泌されていると、やる気と緊張感で好ましい状態ですが、不足すると気分が落ち込み元気がなくなります。興奮系神経伝達物質は、日中の活動に不可欠ですが、抑制系、調整系伝達物質により、うまくブレーキをかけることが心身のバランスには必要です。

◎主な神経伝達物質の生合成経路

アミノ酸を元とした神経伝達物質は、複雑なしくみの中で作られています。

ウェルネス見聞録「必須アミノ酸」もご参照ください

https://calseed.co.jp/wellness/amino/