平均寿命

人体の複雑な仕組みは、知れば知るほど高度であり、まだまだ未知の部分が多いといわれています。

しかしながら、数百年昔の日本でも平均寿命は30歳代、40歳代ともいわれていたのを考えると、戦後の医療、経済、食糧事情、情報の発達により、平均寿命は70歳、80歳とどんどん延伸し、人体の仕組みもずいぶん解明されてきたといえます。
ただし、平均寿命とは0歳児がいつまで生きられるかという年齢で、昭和初期以前は生後すぐに亡くなるなど赤ちゃんが育っていける環境が整っていなかったり、貧困、戦禍、災害、感染症などの影響も大きく、平均でみた場合は大幅に寿命が短くなっていると考えられます。平均寿命推移戦後、70数年で日本の平均寿命は30歳以上も延びています。戦後生まれの方は、当時だと50歳台が寿命といわれていたことがわかりますが、実際には、この方々は50歳時には8~9割の方々が存命で、現在70歳台の方もまだまだ高い割合で存命です。寿命の算出方法は当時の情勢を勘案してのことですが、戦後の著しい変化は見通せていなかったのかもしれません。
年齢ごとの生存率厚生労働省が毎年だしている「簡易生命表」によると、2019年の60歳の方は高い割合で生存しており、70歳くらいから死亡率が増えてきます。それでも、75歳では男性で4人に3人は存命、女性は9割近くが存命です。男性は85歳で半数の生存率となり、女性は7割が存命です。女性は90歳で半数の生存率とは、本当に長寿社会ということがわかります。60代、70代で亡くなると、まだ若かったのにという声が聞こえるのももっともな話です。

世界各国も、日本同様、戦後より急速に寿命を延ばしていますが、日本は世界の長寿国トップクラスに位置しています。しかしながら、内戦、貧困の著しい国々では、いまだ50代、60代という平均寿命となっているのが現実です。

健康寿命

「健康寿命」とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した新しい指標で、日常的、継続的に医療・介護に依存しないで、自己の心身で生命維持し、自立した生活ができるであろう期間(年齢)で、平均寿命から、医療・介護に依存する期間を差し引いた期間となります。

これによると、2016年は、男性は8.84年、女性は12.35年が、医療・介護の必要とする平均期間となり、この期間を短縮して健康寿命を延ばすことが、生活の質をあげ、介護予防・医療費削減につながるということで、健康増進法に基づく国の重要な政策となっています。健康寿命平均寿命・健康寿命は、都道府県別にも算出されています。とりわけ、健康寿命では、都道府県別のTOPと下位との開きは2~3歳の差があり、地域的な食生活、健康習慣、社会的、環境的影響等の違いがどこにあるのかが精査され、県単位、市町村単位の、健康への取り組み促進が注目されています。

 ✧人は食べたものでできている

この世に生を受けてから、母乳をいただき、離乳食、幼児食と、毎日毎日、食べて飲んでカラダを作っています。当然のことですが、”食べたものによって、体内は変わる” のです。人体の大きなしくみは変わりませんので、見た目が大きく変わるのは、肥満ややせ型などの体型でしょうか。見えない体内の器官にも、食べたものの違いにより、お隣さんとの違いがでてくるといえます。

✧「生き方による健康度の違い

食事の内容、量、質による違いに加え、ライフスタイルによっても、健康度が変わっていきます。加齢による変化に加え、仕事や運動などによる負荷の具合、普段の姿勢や呼吸のしかた、環境やストレスなどの外的要因などによっても変化します。    

これらの要因が、健康寿命に関わってくる一つだと考えれらます。